2020年7月11日土曜日

大動脈解離スタンフォードB 5日目 一般病棟個室編

昨夜、ポータブルトイレに意を決して挑もうとナースコールを押したのだがいざポータブルを持ってきてもらい便座に向かったら出そうな感じはあるのに一向に出てこない。
あんまり踏ん張り過ぎても血管に悪そうなので今回も残念ながら諦めた。
看護師に引っ込んだことを伝えポータルを下げてもらうと明日ぐらいには出さないと体に悪いからと下剤を渡られて飲んで眠りについた。

夜が明けて5日目の朝が訪れる。
早速朝から下剤の効果がくるかな?と思ったがいつもとそんなに変わらない。
実は昨日はリハビリの三回目らしく初めてリハビリ専門の看護師が付いた。
昨日のリハビリはベットの横に立ち足踏み20回×2セットだった。
特に体には異常は感じないのだが久々に立ったせいで多少フラフラする。
だがここでリハビリを問題なくクリアしとかないとトイレが遠のく気がして決死に挑んだ。
決死なのだが看護師にはこのくらい余裕ですよと慎重にかつスムーズに足踏みをし看護師に大丈夫そうですねと言われ、また一歩トイレへの難関がクリアされた。
このリハビリは今日も同じ内容を行い明日には50M歩行してそれをクリアすると自分でトイレに行けるらしい。
これが今日だったらギリギリポータブルトイレを使わずに用を足せたプランを実行するつもりだった。
しかしもう一日となると自分の体が持たないことを感じていた。
しかも昨日飲んだ下剤がやんわりと朝食前に効き始めてきた。
これはいよいよ年貢の納時かと思いナースコールを押そうと思ったがふと考えた。
実は今の個室には歩いて数歩の所にトイレが備え付いている。
実際ポータブルトイレを持ってきてもらいそこに座るのと個室のトイレに座るのはほとんど違わない。
だからと言ってナースにトイレを使わせてくれとお願いするのもナースを困らせてしまうだろう。
実際ナースもそんぐらいいいじゃんと思ってそうだがいざ何かあれば怒られるのは彼女達である。
そこで自己責任という事で朝食が用意された後にゆっくりと慎重にトイレに向かうことにした。
朝食が準備された後は小1時間程誰も来ないのはここ数日で把握していた。
鼻から酸素チューブを外し心電図の機械を肩にかけゆっくりと体に負担が掛からないようにトイレに向かい無事用を足すことが出来た。
ウォッシュレットでお尻を洗わないと正直うんち無理だなと思っていたのもこの作戦を実行した動機である。
昨日ボータブルトイレと一緒に用意されたトイレットペーパーは使いかけの半分もないやつだった。
あんなんじゃ絶対キレの悪いマイうんちじゃ足りないに決まってる。
そして追加のトイレットペーパーをお尻丸出しでナースコールで頼み、ナースセンターで笑いの種にでもされたら溜まったもんじゃない。
次の日から影であだ名でツーロールとか言われてたら一生心に傷が付いてたであろう。
無事にウンチを済ませソロソロとベットに戻り朝食を頂いた。
そして昨日の晩に渡されたあるチェックシートを思い出す。
おしっこと大便の回数をチェックしておくものだ。
そして思う、今日の何時か何処かで大便の回数を増やしておかないと看護師に下剤飲んだのになんで!?と疑われてしまうだろう。
そして考えて丁度夜勤と昼勤の看護師が入れ替わるときに大便を1にマークしておいた。
そして昼勤の看護師がやってきて表を見て「ウンチ出たんですね、硬さどうでした?」と聞いてきて「下剤飲んだので少し柔らかかったです」と伝えたらそのまま私がポータブルやんなくてラッキー的なオーラを出して部屋から出ていった。
作戦は大成功である!
と思っていたら世の中はコロナの第2波のニュースで溢れているがここでは下剤の第2波からはじまり第5波まで訪れ、看護師の隙きを付いてすべて対応していった。
そんなこんなで今日一番のイベントを乗り越えあとはリハビリを待つのみだったのだが、リハビリのあんちゃんは土日休みらしい。
代わりに誰かやってくれるのかと思ったがそんな雰囲気も無く夕食の時間になった。
安静一番なので基本暇なのである。
早く歩き回れるようになって病院を探索したいものだ。
そして明日は公認でトイレを使えるようになるのでしょうか!?

今日の一日の行動を振り返ってみたが大動脈解離という病気は命に関わる危険な病気なので例えウンコをするのを人に見られようがあだ名を付けられようがそんなの命の前にはちっぽけすぎる事なのである。
そこら辺の命の重さを分かっていない僕は人としてもっと成長しなくてはいけない。

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